「習慣化は強い。」
これは起業家の人がよく使う言葉だ。
習慣化によって人は意識せずとも物事を成し、考えられるようになる。これは素敵なことだ。
しかし気づかないうちに僕らは、悪い習慣も同様に受け入れてはいないだろうか。
社会人になりたての頃は、「えっそれってやる意味なくない?」って感じてたことがみんなやってるからという理由で当たり前になっていく。
何故それをするの?と言われても合理的に説明することができない。
そんなことが日々の中に入り込んではいないだろうか。
思い当たる節があるならば、堀江著「多動力」を読むことをオススメする。
「多動力」とは?
ミレニアム世代より上の世代ならきっと誰もが知っている東大出身の起業家「堀江貴文」。
彼が書いたのが「多動力」という本だ。
「1つのことをコツコツとやる時代はもう終わっている。」
「今は1つの専門家であるよりも、様々な業種を飛び越えられる人材の方が強い」というのが堀江さんの主張である。
堀江さんはこのような枠組みを飛び越えていく人物を「越境者」と表現しているが、その「越境者」になるために必要な要素が「多動力」だと説いている。
「多動力」とは、あることに没頭し、飽きたら新しいことを始めるというまるで子供のような力のことだ。
そして本書で紹介されているのは、「多動力」を持つための考え方や習慣付けだ。
ただ読むだけでは意味がないとして本書ではJust do it! というページが各章の最後についているが、まあ正直これはあまり意味がなかった。(本記事の最後で理由を言及しよう!)
大事なのは本書を読み、自分だけのJust do it!を作り上げることだと思う。
感想/考察
・コツコツと多動力は相反しない
・完璧主義者より完了主義者たれ
・自分の時給を計算しろ!
コツコツと多動力は相反しない
本書では1つのことをコツコツすることはもう古いというように表現している。
しかし、本書でのコツコツとは思考停止状態と読み替えた方がいいと僕は思う。
例えば、寿司屋で親方に寿司の握り方を教えてもらう為だけに3年間雑用をする。
1流のホストから学ぶために3年間雑用をやり続ける。
これらが思考停止状態だ。やめよう。きっと他にやり方がある。
ただ「多動力」のはじめの一歩を歩むためにはどうしてもコツコツやることは必要になる。
何故なら、「肩書き」を持つために凡人は1万時間のやり込みが必要になるからだ。
「多動力」とはただつまみ食いのように一瞬一瞬楽しんでやめることではない。
前提にあるのはハマることだ。ハマれば肩書きがたくさんつき、貴重な人間になっていく。
しかし、肩書きを得るためには約1万時間のやり込みが必要になるらしい。
考えて欲しい。1万時間だ。
・24時間フルでやり続けたとして1.14年
・6時間やったとして5.56年
・現実的な1日2時間だとしたら13.69年だ。
石の上でも3年以上のレベルをダンチで超えてくる。
これをコツコツとした努力が必要と言わず何と呼ぼうか。
おそらく重要なのは「思考停止状態で1つのことだけをやり続けないこと」だと思う。
だから、コツコツと多動力は決して相反しないと僕は思う。
完璧主義者より完了主義者たれ
期限がある仕事をこなしていくのに必要なスキルは完全に後者だ。
また、人と共同してやらなきゃいけない仕事も完全に後者が重要なのは言うまでもないだろう。
日本マクドナルド創業者藤田田も著書「ユダヤの商法」で、人間にできることには限りがあるから60点取れば合格と述べている。
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金儲けが絶対にできる本 〜「ユダヤの商法」を考察する〜
この通りにすれば絶対に儲かるという本があれば皆さんは買いますか? 今回考察するのは、藤田 田(デン)さんの「ユダヤの商法」です。 藤田さんといえば、日本にマクドナルド文化を持ち込んだ社長です。 果たし ...
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スピードが何よりも求められる今の時代においては、すぐできる仕事とできない仕事を瞬時に判断し、タスクを完了していく事が必要だ。
確かに緊急度が高い重い案件を片付けるのは重要だが、2,3分で終わる仕事が落ちてきたのならそっちを早く処理する事が大事だと思う。
アムウェイでも「ピッパの法則」と言われ大切にされている概念のようだが、これは僕らビジネスマンにも大切な考え方だ。
自分ピッとみてパッと離せる仕事であれば、早く処理して玉を相手に投げよう。
それだけで相手方の自分への印象も大きく変わってくるはずだ。
もちろん一人で全てを作り上げるアーティストなんかは逆で然るべきだ。
自分が行っている仕事が何なのかによって使い分けていこう。
ワクワクしないことはアウトソーシング
堀江さんの多動力を実行するためには、ワクワクしない仕事をアウトソーシングする事が必要になる。
1日は24時間しかないのだから、他の人でもできることは他の人にしてもらい、自分だけができることを24時間に詰め込むのが多動力の基礎となる。
しかしそのためには時給計算が必要になる。
例えば、僕のブロガーとしての時給は今0円だ(2020/05/30)。外注するほどの価値もないゴミだ。
だが例えば1年後、時給が3000円になったとすれば、ワクワクしない掃除洗濯は時給3000円以下の人を雇ってやってもらった方がいい。
だからこそ、時間を正確に計り、自分の時給を計算することは非常に大切だと思う。
僕は今、ストップウォッチであらゆる時間を計りながら生活をしている。
皆さんもストップウォッチ生活を初めてみるのはどうだろうか。正直かなりおすすめだ。
どのように実践できるか
まずは何よりもやってみるという思考を持つ。
ただ何かを始めるだけでは「多動力」にはならないというように述べたが、何かをはじめなければきっかけにもならない。
ただ何を始めればいいのかわからないという人はたくさんいると思う。
ここで、実はおすすめの本がある。「言葉になるは武器になる」と「メモの魔力」の2冊だ。
この2冊は自分を知り、やりたいことのきっかけづくりの役にたつ。
まずは、読んでみよう。おそらく時間の無駄にはならない。
まとめ
「多動力」は、読んでみて真似できないなと思う人がいて当たり前の本だ。
どこまでを自分の価値観に受け入れ、外すのかも選択だ。それで自分という人間が構築されていく。
ちなみに、本書のJust do it!欄には「睡眠はしっかり取ろう」というページでこんなアクションが書かれている。
本を閉じて寝よう。
この本の編集者は頭がおかしい。気が狂っている。面白すぎる。
そんなこの本の編集者は幻冬社の箕輪という人物だ。
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バカであれ 〜「死ぬこと以外かすり傷」を考察する〜
僕が大きな影響を受けた「メモの魔力」で「モチベーション」に関しこんな記述があった。 ちなみに僕はというと、基本的には、ゴールが先にある「トップダウン型」です。 一方で堀江貴文さんや箕輪厚介さんは、「ボ ...
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「死ぬこと以外かすり傷」も非常に面白いビジネス書であるから是非読んでみるといい。
↓Audio版は今(2020/05/30)無料になっているらしいのでおすすめだ。
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