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自分だけのものの見方・考え方を身につける方法|『13歳からのアート思考』のまとめ

好きなことで生きていく。

こんな言葉が流行り始めたのはいつからだっただろう。

実はこの言葉が打ち出されたのは2014年のyoutubeのTVCMだ。

初めて聞いた人の感想はきっと「意味がわからない」だっただろう。「そんなことができるはずがない。」と懐疑的に感じている方が多かったはずだ。

だが、蓋を開けてみて2020年。どうだろうか。好きなことをして生きている人は増えたか定かではないが、自由に生きたいと考える人は確実に増えた。

般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「コロナ禍でのフリーランス・会社員の意識変容調査結果」によれば、フリーランスで働く人はコロナ下で経済的なダメージを追いつつも、約86%に人がフリーランスを続けたいと考えているという調査結果を提示している。

そんなフリーランスで働く人々の同意識調査によれば、フリーランスを続ける上で大切なスキルとして、「新しい発想」が大切だと考える人は43.3ポイント(コロナ前比+5.4ポイント)と大きく増加した。

この調査こそ、不確実な世の中では「新しい発想」が大切だと多くの人々が考えている根拠であろう。

では、「新しい発想」とは何か。それは正解なき個々のものの見方から生まれる結果だ。

つまり、これからの時代では自分だけのものの見方を育む方法を学ばなければならない。

ただいつからだろうか。僕らは世の中の正解を求め、気づけば自分のものの見方を忘れてしまってはないだろうか。

そんなものの見方を再度思い出させてくれるのがアート思考だ。と本書の著者末永さんは述べている。

『13歳からのアート思考』はこれから予測不能な時代を歩く僕らにピッタシの本だ。

これより下の記事はまとめ記事になるわけだが、本書のネタバレを含むことになる。

そのためこの時点で興味が湧いた方はすぐにAMAZONで本書を購入した方がいい。

本書はまとめ記事や解説を読む前に、自分で考えながら一度読んだ方がいい本だからだ。


『13歳からのアート思考』とは?

読むのにかかった時間 2時間43分

美術は今大人が学び直すべき学問である。このように述べるのは本書の著者、松永幸歩氏だ。

松永さんは東京学芸大学出身、現在は中学・高校の美術教師として活躍している。

松永さんが本書を通して伝えたいのは、予測不能な社会で生きていく僕らにはアート思考が必要ということだ。

アート思考とは、一輪の花の根っこに当たる部分のことを指す。

決してすぐに目に見えるものではないが、人間の思考を探っていったときに、その根底にある探究心の根。それこそがアート思考だ。

個人の時代が今まさに来ている。妄想が世の中を変える時代に来ている。

そんな時代だからこそ、前例に囚われない正解なきアート思考こそが重要なのだ。

例えば皆さんはCasperというオンラインの寝具メーカーをご存知だろうか?

この会社のコンセプトは「眠りを売る」こと。だから販売しているマットレスは、絶対に寝付ける寝具3種類のみ。これが顧客にウケている。

これも、「眠りを売る」という発想に行き着いたからこそできるラインナップだ。前例なきアート思考の一部だと言える。

『13歳からのアート思考』は、株式会社BIOTOPE代表、佐宗さんも大絶賛の本。

これからは個人の時代だ、と思っている人には大変刺激的な1冊になることだろう。

 

目に見えるものだけがアートなのか

本書は、アート作品を通してアート思考を身につけるための入門書だ。

本書の面白い点は、19世紀以前の作品をアート思考溢れる作品としては取り上げないところにある。

そもそも、19世紀以前の作品は、ただ決まりに従って描けば良かったと著者は述べている。

具体的に言えば、リアリズムと神話の世界を描いた作品だ。これが、古来の画家にとってのアート(正解)だったわけだ。

例えば、かつては写真がなかったからいかにリアルに描けるかが重要で、かつては神話の世界がお金持ちの間で持て囃されていたから神話を描くのが正解だった。

しかし、カメラが現れたこと。庶民的な金持ちが現れたことからアートの意味合いは変化する。これが19世紀だ。

この時代から、アーティストは元来の「正解」は消失したのだと自覚する。本書で取り上げているのは、まさにこの変革の時代のアート作品なのだ。

第一の変革は目に見えるものだけを作品としては描かないこと。

本書では、色彩をバグらせたマティスの絵や、多方面から見える絵を描くことで有名なピカソの絵を取り上げ、目に見える物を描くだけの世界から脱却した作品として紹介している。

これらの作品が問いかけるのが、目に写るものだけがアートなのか?という疑念だ。

今まで当たり前だった「目に見える物だけを書くのがアートだ」という既存概念をぶち壊したのがこれらの作品だ。

まさに、既存の「正解」から脱却したのがこれらの作品なのだ。

 

目の前のものが本当に見えているのだろうか

僕たちは目の前のものを果たしてちゃんと見ているのだろうか。

この問いにアートを持って答えたのはジャクソン・ポロックかもしれない。

彼は、抽象表現主義の画家と呼ばれているが、彼の作品は今までのものと比べ異質だった。

彼の作品は正直何を書いているのかよくわからない。

ただ、彼の作品に意味をつけるのであれば、彼は絵そのものを書いていたと言えよう。

僕らが絵画を鑑賞するとき、僕らは知らないうちにその場面を想像している。

例えば、美しいリンゴの絵を鑑賞するとき、僕らはそこにリンゴがあたかも存在するかのように絵画を鑑賞する。

でも実は、僕らがみているのはただの紙と髪の上に塗られたインクだ。それを僕らの頭がリンゴと判断しているから、それはリンゴに見えるわけだ。

そう考えると、僕らは何かを見る際に、頭の想像と現実とを相互にリンクさせモノを見ているということになる。

つまり、僕らは純粋にそれそのものを見ることができないのではないだろうか。

ジャクソン・ポロックが表現するのは、その絵をただ紙の上に書かれた絵として認識させるための作品だったのだ。

目で見るものが正しいという今までの「正解」をぶち壊す作品として、アートだと本書では紹介されている。

 

アートとは何か

本書の最後の章で登場するのは、そもそもアートとは何なのか?という問いだ。

僕らは知らぬまに、アートは一つしか存在しないもの。という様に認識してやいないだろうか?と筆者は僕らに問いかける。

例えば、コカコーラはアートか。と言われると大概の人がアートではないと考える。

でもびっくりすることに、パックマンはアートである様だ。

Momaという美術館では、パックマンのコードが美術品として備蓄してあるらしい。

つまり、アートかアートでないかを判断する要素は既に消えてしまっている。

芸術の世界においても、正解がなくなってしまったのが現代だと言えるのだ。

 

まとめ

本書では、アートを通してアート思考(探究の精神)を学べる作品だ。

本書を読んでいると、アートの世界もビジネスの世界も似ているところがあるなと感じる。

筆者が今こそアートを学び直すときだと述べているのは、まさにこれが理由だろう。

現在、僕らの取り巻く環境は大きく変化している。

ものがインターネットと繋がるIOT、在宅ワーク、フリーランス。これらの現象は果たして10年前の正解だっただろうか。

例えば、かつては正解であった年功序列制度は今の時代でも「正解」と言えるのだろうか。

こんな時代だからこそ、自分のやりたいこと、知りたいことを深堀り考えることが大切なのだろう。

そんなふうに思わずにはいられなくなる一冊が本書である。

めちゃくちゃいい本だという噂もさることながら、今を生きるビジネスマンには必須の一冊といえるだろう。

感想/考察

気づけば僕も「正解」を選んでしまっていた

今までの人生を振り返ってみると、アート思考が足りてなかったなと猛省することが多い。

僕らはこうあるべきなんだと思って、俗にいう「正解」の道を歩んでしまってきたのだなと思わずにはいられない。

例えば、僕で言えばみんなが受験をしたから高校、大学受験をした。

大企業に行けば親孝行になると思って大企業に勤めた。

今は銀行員として仕事をしているわけだけど、ぶっちゃけ面白くも何ともない。むしろしんどいことの方が多い。

ただ変わるのはしんどくて、心のどこかではこのままでいいやって思ってしまう弱い自分もいる。

僕みたいな人って割と多いのではないだろうか。

でも、心のどこかではこんな毎日を変えたい。もっとワクワクする毎日を過ごせたらいいのに。とも思ってはいる。

だから理想の日々を妄想する。こんなサービスがあったら面白いよなとか、これは売れそうだなとか。

本書を読むと、こうした妄想も一つのアート思考なのだと教えてくれる。

日々悶々と過ごしている僕らの毎日は決して無駄ではないのだ。と自己肯定感を増してくれる本だ。

こんな時代だからこそ今自分自身の導き出す答えを大切にするべきなんだ。

そんなポジティブな考えをする僕らの背中をそっと押してくれるのが本書の位置づけで、だからこそ本書は売れているのだと思う。

 

今こそ自分のやりたいことを考え続けるときだ

アートの概念は崩れ去ったと本書は教えてくれる。と、同時に僕らの仕事の概念も今まさに崩れ始めていると気づく。

実は僕らが日々悶々と考えている、ああしたらいいな。こうしたらいいな。は形にできる時代なんだ。

だから僕らにあと必要なのはアクションだけだ。

例えば、自身の想像しているサービスにエンジニアが必要なら、そんな仲間を作ればいい。もしくは自分がエンジニアになればいい。

そのためには何々が必要だ。だから○○をしよう。そこまで落とし込めたら後はやるだけだ。

もし、ここまで読んでくれた方がいるとするならば胸に手を当てて考えてみてほしい。本当にしたいことは何なのかを。

その情熱がこれからを生きるためのバネになるはずだ。

 

どのように実践できるか

妄想を形にしてみよう

妄想を妄想で終わらせてしまっていたら本当にもったいない!

どんなに見栄えが悪くても、形にしてみるべきだと思う。

僕の好きな本の一つ『非常識な成功方法』の中でも書かれていることだが、まずは紙にでも自分の妄想を書いてみるといい。

そしてその紙を一番よく見える位置に貼る。それだけで一歩歩み始めた様なものだ。

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投稿日2020/10/21(4216字)2h38min00sec/当記事を書き上げるのにかかった時間

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